トタン板の ”アメリカン・フォーク・アート”



”Sam Doyle” (1906-1985)
Edited by Louanne LaRoche, Editor in charge : Edit deAk, KYOTO SHOIN(1989)

私がこの絵(本)に出会ったのは数年
前のこと。衝撃の出会いであった。
北海道の息子一家を訪れたときのこ
とであった。嫁がOL時代に購入し
た大切な本ということで、借りるの
を遠慮した。再び手に取ったのは昨
年、感激と衝撃を新たにした。今般
この素朴で力強い画家のことを、少
しでも知ってもらいたく、紹介のた
めに借り出した。
サム・ドイルを紹介するに当たって
インターネットで調べたところ、主
立った検索エンジンではヒットしな
かった。アメリカではさすがに数え
切れないくらい。KYOTO SH
発行の”ArTRANDOM Sa
m Doyle”を中心に、USネ
ットから見つけた画像で補いながら
概略(サムネイル=著作権に触れな
い?)で紹介する。

DR. BUZ
Nationally known Island Doctor,
Dr. Buzzard, receivrd massages
through a conch shell.
house paint on tin, 46" x 25"
ADLADE ALAVE CIPYO LINCOLN HOPEING
BOY
ISLAND
BEAUTY
LE BIT,
JR.
WA DA
TWO LADIES ILL HIT
YOU MAN
LARIE
RIDERS
FIRST FOOTBALL
GAME
RAE
Ray Charles
DR. BUZ DAVIS
Summy Davis jr.
PECK PALS IKE GE-NULE! UNK SAM
サム・ドイルが生まれたセントヘレ
ナ島はサウスカロライナ州のシー諸
島にある。1861年の奴隷解放ま
では綿花のプランテーションがあっ
た。解放された奴隷達は自由を得た
ことで、かえって苦難の道を辿る。
文盲で無知な黒人達を自活させるた
め、翌年にクウェーカー教徒による
合衆国初のペン・スクールが設立さ
れた。現在のペンセンターである。
このペン・スクールでサム・ドイル
の才能が発見された。1994年か
ら描きはじめた島の歴史、伝承、人
物など、「人間の精をを描き」続け
ている。貧困ゆえのブリキ缶を延ば
したキャンバスに家屋用のペンキで
描かれた絵は、画中のタイトルとと
もに異彩を放つ。画材は常に常軌を
少し逸した人物であり、タイトルも
シンプルかつユニークである。素朴
ながらも辛辣な観察眼が鋭い。

「自分の芸術をできるだけ多くの人
々と分かち合いたい」というサムは
島のあばら屋をアトリエ兼ギャラリ
ーとし、屋内外を問わず展示してい
た。軒先におびただしく吊された、
”アウトドア・ギャラリー”は、異
彩を放ち、絵が売れると空いた場所
同じ題材の絵を描き直したそうだ。
そのため多くのバージョンが生まれ
描き直すたびにイメージが固まり、
メッセージが明確化してきた。
まるで原画を現地で見てきたような
文章だが、すべてKYOTO SH
OIN(1989, ISBN4-7636-8522-8
C0371 P1980E, \1,980)とUSネッ
トからの転載である。著作権に抵触
するおそれが高いが、価値ある芸術
を少しでもご紹介できればと、あえ
ネット上に掲載する。黒人の解放エ
ネルギーをテーマとした私のコンテ
ンツは、ジャズと黒人霊歌もあり、
徐々に充実させて行くつもりである