2001年の花々


 2001年は、気がつくとアサガオ以外のヒルガオ科の花が初めに咲き始めたものの、肝心のアサガオをあまり育てていないという困った状況でした。 ということで、実状にあわせてタイトルを少し変えています。 今年のポイントは、あちこちから交換などで頂いた黄色のヒルガオ科が3種類あったことですが、遅咲きの2種類がなかなか咲いてくれなかったために苦労しました。



○Ipomoea ochracea
 種子の交換で頂いたものですが学名だけでほとんど情報がなく、詳しい方に伺ったりしながら手探りの栽培となりました。 黄花アサガオと言っても文句のない、直径5cmほどの黄花が咲いたときは感激しましたが、咲き始めると花数が多い点でも優れています。 ただし、最大の欠点は極度の遅咲きであるため、短日処理などをしなければ、秋になっても開花せずに枯れてしまうことです。 何とか開花させられただけでなく、枯れるまでにあまり多くはありませんが種子を収穫できたのは、うれしいことでした。
 なお、種子袋にはイギリスのChiltern Seedsという種苗会社の名前が印刷されていましたので、恐らくそちらで販売されているようです。




○黄花イポメア(ヒメノアサガオ:Ipomoea obscura?)
 これも頂きもので、最近話題になっている黄花イポメアです。アフリカのケニアが原産と言うことでしたが、学名は今のところはっきりしていません。 7月後半から非常に鮮やかな黄色の花を咲かせますが、2.5cm程度の小輪であるのが残念です。もっと残念なことは、上のI.ochraceaもそうですが、 一つの花から4つの種子が出来るため、同じイポメア属でも一花で6種子のアサガオとは所属するグループが異なり、交配できそうにもないことです。 他にも、花数があまり多くないのも惜しい点ですが、この鮮やかな黄色はとても魅力的ですし、簡単に花が楽しめることは他の2種類と最も異なる点です。
 学名については、はっきりしていない状態なのですが、米田先生のサイトにあるヒメノアサガオ[Ipomoea obscura]の変異種ではないかとの指摘をいただいています。 栽培・比較をしたいので、どなたかヒメノアサガオの種子をお譲りいただけるようであれば、メールでご連絡いただければ幸いです。




○Merremia umbellata
 最後のこの花も種子の交換で頂いたものですが、とにかく本当に超遅咲きでした。 短日処理などを何もしなかった株は11月近くなっても、花芽すら見あたりませんが、恐らく開花しないまま寒さで枯れてしまうと思われます。 学名は Merremia umbellata として貰いましたが、ほぼ間違いないようです。 いずれにしても、これで黄花の3姉妹?が全て開花したのは一安心ですが、このメレミアだけは種子も採れないだろうと諦めています。 10月末になりやっと咲いた花は鮮やかな黄色の直径3cmほどの小輪で、花数も多いのは悪くありませんが、とにかく絶望的なまでの遅咲きであることが どうしようもない欠点です。


その他のアサガオ類
 2001年に栽培した、アサガオやヒルガオ科の花の画像です。画像はリンクに なっていますので、見たい花があれば名前をクリックしてみて下さい。

○斑入桔梗渦葉赤覆輪桔梗咲木立 (ふいりききょううずばあかふくりんききょうざきこだち)
 これは、昨年紹介した斑入り桔梗渦から分離して出た、桔梗渦の木立です。 斑入り葉で木立によりコンパクトな姿となった、赤色の桔梗咲きです。まだ、少 し花色にはバラツキがありますが、それ以外の特性は固定しているはずですから 新しい系統としても良いと考えています。とりあえず、種子をなるべく多く欲し かったのですが、非常に稔性が低く数粒しか収穫できませんでした。

○モミジヒルガオ [Ipomoea cairica]
 園芸店で、「宿根朝顔モミジ葉ピンク」として売られていましたが、リンク させていただいている米田先生のサイトで探したところ、正式な和名はモミジヒ ルガオでした。花色はピンクと書かれていましたが、実際の色はラベンダー色に 近いものでした。この種の色は、デジカメで再現しにくいのでレタッチをしてい ます。花は中輪ですが非常に多花性で、しかも咲き終わった花は勝手に落ちるた め、栽培には手が掛かりません。残念ながら自家受粉では結実しませんが、これ で白色や青色の花を咲かせる系統があればと思ってしまいます。

●八重咲ヒルガオ
 ヒルガオの八重咲き品種ですが、日本に自生しているヒルガオ[Calystegia japonica] とは、葉や茎が微妙に異なるため、九州大学の仁田坂先生も指摘しておられる ように、恐らく別種ではないかと思われます。通信販売で取り寄せましたが、送 られてきたものは竹串のような太さで10数cm 長の地下茎であったため、さすが に不安になりました。しかし、芽が出てくると旺盛な成長力で、初夏を中心にバ ラのような花をいくつも咲かせます。アサガオの牡丹咲同様に、オシベもメシベ も花弁に変化しているため種子は出来ませんが、地下茎で増える多年草ですから 問題はありません。ただ、花が終わっても落ちないため、花ガラを整理しないと 傷んで汚くなるのが欠点でしょうか。


[アサガオのページに戻る]