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・介護ソフト商戦過熱
7000億円市場、生保系も参入
平成11年9月8日 読売新聞より
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来年4月からの介護保険導入を前に、大手コンピューターメーカーによる支援ネットワークシステムや、専業メーカーの関連ソフト販売合戦が過熱している。自治体の業務推進や、介護サービスを提供する事業者などによる要介護者の個人情報管理、介護プランの作成に情報基盤の整備が不可欠なため。周辺業務を合わせ7千億円にのぼるとされる介護システム商戦はこれから年末にかけ、一段と激しさを増しそうだ。
「全くこれまで名前も聞いたことがないソフトメーカーが5、6社あり、驚きました。商戦の激しさは予想以上」
先月末、東京都社会福祉協議会が開催した「ケアプラン コンピューターソフト説明会」。参加企業が25社に上ったことについて10年以上も前から福祉関連ソフトを製作している専業メーカー幹部は、驚きの表情だ。
このケアプランは、各自治体が介護サービスが必要かどうか審査して決めた要介護者に対し、ケアマネージャー(主にケアプランの作成者)が1人1人の状態を把握、在宅での訪問介護や入浴介護、日帰り介護施設への通所など必要なサービス計画を作成するもの。
これらプラン作成に専用ソフトが不可欠なのは、要介護者の状況把握だけでも多項目にわたり、要介護者の要望を聞きながら事業者から派遣されるヘルパーなどとのスケジュール調整も必要なため。
一方で、これらプランをもとに在宅や施設でのサービスを提供する事業者は、ヘルパーの派遣スケジュールの管理や、刻々変化する要介護者の個人情報を必要に応じてヘルパーが携帯端末などから出し入れできるデータベース化も必要になる。
これらソフトの開発、販売に、これまで社会福祉施設や医療施設などに各種パッケージソフトを供給していた専業メーカーや、介護サービスに精通した生命保険会社系のソフト会社などが参入、事業者や社会福祉施設などへの売り込みに懸命だ。
これに対し、これらのサービスを一元化し、ハードを含めた情報基盤として自治体やサービス事業者の連合体などに売り込みを図っているのは大手コンピューターメーカー。
先月末に要介護認定から保険請求などを網羅した新しいネットワークシステムを発売したメーカーは、介護保険の事業主体である自治体などへ、5年間で500システムを売り込む計画。別のメーカーは「1000自治体」をターゲットにしており、シェアの激しい奪い合いが続きそうだ。
このようなシステム化について、高橋立教大学教授は「自治体側の業務システム構築は急ピッチに進んでいるが、介護を実際に進めるために不可欠な事業者間の情報の共有については、実際の姿が見えてこないのが現状だ。システムが導入され、人間のネットワークが動き出すまでに、かなりの時間がかかるのではないか」と言っている。
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