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・肺がん死因 初のトップ
胃がん抜く「喫煙」大きな要因
平成11年6月12日 読売新聞より
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肺がんによる死者数が昨年、胃がんを抜いて初めてトップになったことが厚生省の人口動態統計で明らかになった。禁煙対策が盛んな米国で、がん死者総数が減少するなど成果が出始めているのとは対照的に、国内では喫煙率は減るどころか、さらに増加している。
男性のがん死者数は1993年からすでに肺がんがトップになっていたが、今回は男女合計でも胃がんの死者数を205人上回った。男性の肺がんによる死者は20年前に比べると約3倍にも増加、女性も割合こそ低いが、同様に急増しているからだ。
肺がんが増加した最も大きな要因として、「喫煙」が考えられる。国立がんセンターによれば、喫煙者が肺がんで死亡する確率は、男性で非喫煙者の4.5倍、女性は2.3倍に達する。喉頭がんでは実に32.5倍で、食道がんでも2.2倍と高確率だ。
同省の国民栄養調査(97年)によると、喫煙率は、男性で52.7%と、米国(28%)よりも25ポイント高い。女性は11.6%と低いながらも増加傾向にある。特に、男性は20〜40歳代では6割を超す。女性は20歳代の喫煙者が2割以上と急増している。
一方、がん死亡者の35%以上はたばこが原因とみる米国政府は、80年代前半から約360億円かけて積極的な禁煙プログラムを実施。全米を挙げて啓発活動を続けた結果、現在はレストランなど公衆の場ではほとんどが「禁煙」。がん死亡者も92年をピークに減少している。
日本では、喫煙対策は「たばこ事業法の『安定した税収確保』という名のもと、ほとんど触れられてこなかった」と、国立公衆衛生院疫学部の簑輪部長は指摘する。
今回の逆転は、以前の喫煙者の増加を反映したものだ。「このまま若者の喫煙率が増えれば、肺がんによる死亡者がさらに増えるのは必至。早急に喫煙対策を講じる必要がある」と、簑輪部長は警告してる。
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