介護保険プラン作り プロが手助け−頼れる味方 「ケアマネージャー」

平成11年3月28日読売新聞より

 来年4月から、介護の必要なお年寄りは各種の介護サービスを介護保険で利用できるようになる。ところが、どんなサービスを、どう組み合わせたらいいか、詳しい知識のないお年寄りや家族が選ぶのは難しい。そこで相談相手になるのが、新しく登場する介護の専門職「ケアマネージャー」だ。

 介護保険では利用者自身がサービスを選ぶのが基本だが、その際、利用者の相談に応じ、必要な援助をする専門家として法律で位置づけられているのがケアマネージャーだ。看護婦や医師、ホームヘルパーらのうち一定の現場経験のある人が、都道府県の行う試験に合格し、さらに専門的な研修を受けたうえで資格を認められる。昨秋の試験には全国で約9万人が合格、そのうち4、5万人が来春から本格的に実務につく見通し。
 
 介護保険では介護の手間のかかり具合いを見る要介護認定の結果、1ヶ月に保険で利用できる在宅サービス料金の合計額が一人ひとり決まる。目安は多い人で月35万円、少ないと6万円。利用者は、そのつど料金の1割を自分で払う。
 
 利用できる在宅サービスはホームヘルパーや福祉用具など。月35万円の場合、例えば1週間にホームヘルパーが13回(1回約1時間)、看護婦が2回、リハビリ専門家が1回訪問し、介護ベッドのレンタルなども利用できる見通し。
 
 在宅介護サービスはこれまで、主に市区町村が提供してきた。介護保険が始まると、企業や生協、農協、民間非営利団体なども参入、利用者はあれこれ比べながら選べる。
 しかし、詳しい知識がなければ、自分で選べといわれても困るだけだ。ケアマネージャーの存在理由はそこにある。
 「保険で利用できる金額を考えながら、1週間単位のサービス利用プラン作りのお手伝いをするのがケアマネージャーの主な役目」と厚生省政策課課長補佐の佐藤信人さん。
 相談費用などの額は未定だが、全額保険から出る。
 
 ところでケアマネージャーは、どうやって探したらいいのだろう。各市区町村にある名簿を介護担当の窓口で見せてもらうのが、手っとり早そうだ。実際には在宅介護支援センター、診療所、薬局、介護用品店などにケアマネージャーの資格を持つ人がいて、相談を受けることになりそう。神奈川県の場合、一つの中学校の通学区域内に、一、二ヶ所はケアマネージャーのいるそうした施設が名簿に載る見込み。


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