休日保育始めます。
日曜や祝日も働く母親らに朗報。

平成11年1月11日読売新聞より

 「日曜や祝日に仕事を休めないときにも、認可保育園を利用できるようにしてほしい」という親の声にこたえ、厚生省は新規事業として「休日保育モデル事業」を始める。そのため、新年度予算に5000万円を計上、休日も子どもを預かる拠点保育園の整備を市町村に働き掛ける。日曜出勤が多い職場で働く親たちの期待が集まりそうだ。

 この事業では、来年3月までに、日曜・祝日も開く認可保育園を全国で100ヶ所整備する計画。同じ地域の他の保育園の園児も受け入れる。1ヶ所につき保母の人件費など年間運営費の半額にあたる1500万円を国、都道府県、市町村が3分の1ずつ補助。1ヶ所で日曜・祝日ごとに10人程度の利用を見込んでおり、利用者にも負担を求める予定だ。

 流通サービス業など日曜や祝日出勤の多い職場でも、出産後働く女性は増えている。こうした家庭では、日曜出勤のためにベビーシッターを頼むか、認可保育園以外の託児施設を選ばざるを得ない。

 昨年、施行された改正児童福祉法は、認可保育園の柔軟なサービスを目指している。今回の新規モデル事業も、多様化する親の働き方に合わせて保育体制を整備する動きの一つ。埼玉県などでは、すでに独自に認可保育園での「休日保育」を試行している。
 国が新規のモデル事業に乗り出したことで、こうした動きにはずみがつくと見られる。ただし、実施するかどうかは市町村の判断次第。どの程度利用者がいるか、地域によって事情が違うためだ。
 厚生省保育課では「多様化している親の就労形態に合わせて、認可保育園も努力が求められている。地域の実情をにらみながら、実施するかどうか検討してほしい」と話している。

 埼玉県久喜市の私立はるみ保育園では、3年前から県と市からの補助で、「休日保育」を実施している。保育料の自己負担額は1人1回2千円。市内にある他の認可保育園に通う子も受け入れる方針だが、PR不足もあって日曜・祝日に預かる子どものほとんどは同園の在園児だ。
 利用者は年間延べ200人。1回の休日に平均3人前後の子どもたちが朝8時から午後5時まで在園。平日も顔を合わせている保母に見守られながら、親の帰りを待つ。
 休日なので、給食は難しい。弁当持参だが、親からは「信頼できる保母さんなので安心して働ける」「急に日曜出勤になってしまい、困ったときに助かった」など、感謝の声が寄せられている。
 
 園長の大熊さんは「国が休日保育に乗り出す意味は大きい。ぜひ長期的観点から拠点整備を進めてほしい」と期待を寄せている。


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