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高カロリーの食事や飲酒の続く年末年始/糖尿病患者は要注意
12/3 読売新聞より
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カロリーの高い宴会料理が続く年末年始は、糖尿病を抱える人たちにとって自己管理が難しい季節。各地の病院の糖尿病教室では何をどれだけ食べるか、ふだん以上に気をつけるよう栄養指導を行っている。楽しく健康的に過ごすヒントをまとめてみた。
東京都府中市の内科医伊藤真一さんは、この時期、糖尿病患者の生活指導により細心の注意を払う。「糖尿病の保険診療 開業医のためのQ&A」(東京保険医協会発行)などの著書もある糖尿病専門医だが、残念な思いをした経験があるためだ。
4年前の正月明け、糖尿病でかかっていた56歳の会社員が右足のはれを訴えて来院した。見ると、末しょう血管の動脈硬化による壊そが進行していた。年末に足の指に血豆ができていたのに、本人は靴擦れと思い込んでいた。糖尿病性神経障害もあって痛みは感じなかったらしい。足の指を切断せざるを得なかった。
「カロリーの高い食事や飲酒、運動不足が続く年末年始は要注意。自分から糖尿病患者であることを周囲に伝えて協力を求め、無理をしないでほしい」と伊藤さんは話す。
東京・御茶之水の三楽病院は先月、患者向け栄養教室で「宴会料理の上手な食べ方」を紹介した。マグロの刺身、天ぷら、空揚げ、鍋物、煮物、焼き鳥などをすべて食べると、糖尿病患者が医者から指示される一日分のカロリーを軽く越えてしまう。
「栄養士の沼沢玲子さんは、「宴会では手をつける前にどれを残すか考えたい」とアドバイス。天ぷらや空揚げはなるべく控え、鍋物、煮物やサラダなど低カロリーのものから食べ始めると案外楽にできるという。
お酒も好ましくない。医師の許可の出ている人でも一日200キロカロリー以内(ビールなら中瓶1本、日本酒ならコップ1杯弱、ワインならグラス3杯)に。差しつ差されつのないウーロンハイなどで量を調整したい。
糖尿病患者向けの様々な企画を手がける創新社(東京)のホームページ「糖尿病ネットワーク」(http://www.dm-net.co.jp/)では今月、「目で見る1600キロカロリーのお正月料理」を紹介。協力した栄養士の西村登喜子さんは、きんとんや煮豆などは市販品をなるべく1つに抑え、人工甘味料を使った手作りを勧めている。「肉や魚、加工品など高たんぱくになりがちなので、お浸しや煮物など野菜類を意識的に取ってほしい」と話している。
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